72年10月に発売された16cmスピーカーを持つ音質重視のモデル。定価は¥15900で当時の2バンド(AM、FM)としては高価な部類です。売りはなんと言っても16cmのポータブル用としては最大クラスのスピーカーで、出力も2Wあるので相当な音量が出ます。このモデルを手にするのは今回が初めてですが、ナショナルはポータブルに16cmスピーカーを使う事に割とご執心だったらしく、このモデル以前にもRF-740という初代のビッグサウンド名称のモデルが有り、その後で吠えろクーガ、そしてこのモデルの後にはクーガ115を出しています。これらの中で音に一番拘ったと思われるのが大型のパワートランジスタを2個使いダブルコーンの専用スピーカーを持つ吠えろクーガですが、小生の個人的な好みではこのモデルは音が煩く、余り評価していません。勿論物量を投入しただけに音量と迫力は古今ナンバーワンでは無いかと思いますが。吠えろクーガについては小生の様な感想を持つ人も多かったのか、このモデル、さらにクーガ115では同じ16cmでもダブルコーンのコーン紙の絞りが深い(前後長が長い)スピーカーが使われています。RF-740で音が鈍い感じがどうしてもあったのでセンターキャップをアルミにして高域を強めている様です。パワー段にはICが使われており、この時期のラジオでは珍しいと思います。出力もRF-740と同じですが、個体差でしょうか、初代ビッグサウンドのRF-740の方が大きな音が出た様に思います。この2代目は高域が伸びて初代よりも音は良いと思うのですが、どうにもデザインが野暮です。その反省でしょうか、クーガ115はこのモデルと多分同じスピーカーを使っていますが、アルミのヘアライン仕上げを前面に取り入れて大柄ながら可也魅力的なデザインになっています。この個体は動作に問題はありませんが、前のオーナーがメインスイッチを破損した模様で代わりにトップパネルに金属製のトグルスイッチを付けています。スイッチそのものは割と質も良く耐久性の有る物ですが、オリジナルの雰囲気は多少損なわれています。音は、クーガ115の評価でも買いたのですが、ポータブルラジオとしては鮮度が足りない感じで、高域は伸びているのですが中域の明瞭度が低く、低音が勝った感じで今ひとつ。感度、機能には問題は有りません。自作ACコード付。

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